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花火大会の後。
要と一緒に駅前まで戻る途中。
隣の要のご機嫌の笑顔を見ながら、俺も幸せをかみしめてる。
長い夏休みのはずが、いろんな出来事のせいで、思いのほか、あっという間に、もう終わりが見えている。
この先の未来を考えると、正直、不安がないとは言えないけど、今、こうして、要が幸せそうな笑顔が見られることが、俺の幸せでもあるから。
「……あ?」
俺の目の端に、要の親父の顔が見えた気がした。
チラリと目を向けると、誰かと話している姿が見えた。
声をかけようかと、そちらに身体を向けようとした時。
隣にいたのは、見たことのない若い女性。
な……なんだ、あれ。
要の親父が照れくさそうに話している姿が……要に見せてはいけない、と、俺の中のなにかが警告している。
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