トラ・トラ・トラ 我、奇襲ニ成功セリ

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南雲が言う「既に米国太平洋艦隊は壊滅した、これ以上この海域にとどまると、我々に損害が無いとは言えないだろう」幕僚がなおも反発する「山本長官から必ず米空母を沈める様に命令されていますが?」南雲が言う「これ以上の戦果は望むべくも無い!その栄光に傷を付ける気か!」同時刻、統合自衛隊、第一戦略機動群旗艦『あかぎ』CIC「今頃、南雲艦隊は議論中か、歴史通りだと、どう動く?」艦長が近くの副長に問う「歴史通りですと、ヒトマルマルマル(10:00 日本時間)には第二波攻撃隊を収容 、ヒトヒトマルマル(11:00 日本時間)頃には本海域を離脱するものと思われます」「そうか、後2時間たらずで南雲艦隊は帰投するのか・・・」副長が艦長に言う 「艦長、ここは南雲艦隊に米空母の方位を報せるべきだと思います」艦長が反発する「君は何を言ってるんだ!そんな事をすれば歴史が変わってしまう!我々だって存在できるか分からんのだぞ!」「しかし、このまま、帰投されると日本は米空母の撃滅という戦略目標を達成せずにミッドウェーで敗北します、艦長どうかお願いします」「馬鹿も休み休み言え!歴史が変わればどんな影響が出るか、分からん!南雲艦隊が帰投すれば、もう一度艦長会議を開く事になる、そこで積極的介入する事になれば、真面目に考慮しよう」 「分かりました」そこに上空の管制機と交信していた乗員がやってくる 「艦長、副長、ニイハウ島にて日本軍機が不時着した、との事です、こちらの指示を求めています」艦長が副長に確認する 「これは、西開地一飛曹の事だな」副長がうなずく、「間違い無いと思います」 「いつまで、彼は生きている?」艦長が副長に聞く、副長は資料室から持ってきた、真珠湾攻撃についての本をめくりながら、「ちょっと待って下さい、ありました ええと、12日の夜までは確実に生きてます」「12日の夜までか、うーん、歴史に介入するのは、気がひける、さりとて見殺しにするのもしのびない、どうするべきか」
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