君の言うままに…その先。

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椅子の上で胡座をかいていた長い足を解きユヅルは立ち上がりマサミの前に立つ。 マサミはベッドに座ったまま顎を上げユヅルを見上げる。 ユヅルはマサミの前に跪き目線を合わせた。 少し目を丸くしてユヅルを見つめる。 ちょっと不安げな瞳で見つめる。 マサミの瞳が微かに輝き揺れる。 輝きは瞳いっぱいに広がりスーっと落ちた。 マサミはハッとして頬を伝う涙を拭った。 「あれ? なんでオレ泣いてんだ」って 涙を流しながら微笑んだ。 ユヅルは何も言わず両手を伸ばしマサミの肩を掴み 自分に引き寄せ両腕を背中に回し抱きしめた。 ユヅルの右肩にマサミは、おでこをつけ 「ごめん」と囁いた。 マサミの体は小さく震えていた。 体を少し離し右手でマサミの顎を引き上げKissをした。 長い長いKissをする。   唇が少し離れると苦しそうにマサミは息を吐く。 また唇を合わせると、 唇の隙間から漏れる吐息。 「……ぅ…」 校内で人目を気にしながらのKissとは 違う激しいKissをする。 マサミの少し開いた唇の隙間と 鼻から熱い息が漏れる。 ユヅルの頭の中に霧がかかり痺れる。 マサミとするKissは気持ちいいと感じる… 気持ちがいいのに胸が締め付けられて苦しくなる。 マサミは両手でユヅルの体を押す。 離れた唇。  乱れた呼吸。 大きく息を吐く。 また マサミは肩におでこを乗せた。 恥ずかしそうに乱れた呼吸で、 「…ドキドキした。 苦しかった。」 でも。嬉しいってと囁き 赤くした顔を上げて言った。
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