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健太が両親のもとに戻ってそろそろ3年。
最初は寂しそうにしていた千尋も、結局土曜日に健太が遊びに来る習慣が残ったことで、健太ロスなんてことにはならずに済んだらしい。
俺としてはせっかくふたりになったんだし、そろそろ一歩踏み出したいところなんだけど、相変わらず初々しい様子の千尋に手も足も出ない。
「で、颯太はなんで千尋を選んだんだ」
そう言いだしたのは千尋の兄貴の篤史。
実は俺が勤めている会社の取引先のひとつに勤めているらしい。
それを知ったのは千尋と付き合いだして半年ほどしてからだった。
取引先に新しいシステムの打ち合わせに行ったら、担当ではなかったからかそれとも面識がなかったから気が付かなかったのかは不明だが、篤史とトイレでばったり会ってしまった。
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