ミレイ君vs風邪

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 何度も脚を運び励まし謝罪し、決して見捨てることはないと、必ずこの状況を脱し安心して暮らせる日を迎えるようにするからと約束した。  それからはがむしゃらに働いた。成長し増えた体重も減ってきた。食事も使用人と同じものを食べ、とにかく出来る限りを尽くした。  家族と婚約者から届く手紙にちょっぴり泣いたのは秘密。  とりあえず餓死の危機からは遠ざかり、少しずつ信用してもらえ、冬に向けて準備をする段階まで来てやっと前を見ようとしてくれた民達。今よりも良い生活をと希望を持ってくれた。嬉しかった。あの怯えた視線がなくなったから。  子供が野に咲く花をくれた。笑顔で。  ベッドの上に飾り、やっと気の済むまで泣いた。  泣いてスッキリ、心機一転!先ずは農村だ。  食料を賄う一番の要。ここから改良していかないと始まらない。  よし!おねだりしよう!もう甘えてもいいよね。  やっと連絡できる。僕の顧問。  以前の状況を伝えたら助けてくれただろう。  でもあの人は国民ではない。王家との繋がりはあの人の好意があってこそだ。  あの人の好意に胡座をかいてはいけない。自分達で努力して努力して、もうこれ以上は無理だ、手がないってことになったら頼ろうと決めていた。  今の状況なら顧問として呼べるんじゃないかな?と思う。農村の復興を手伝ってくれるって、その時は呼んでねって言ってくれたから。  対価は出世払いでいいからねーってことなので、もういいよね?  皆元気かな?真珠また大きくなったかな?  ………アタック、受け止められるだろうか。  痩せたけど、動き回って筋肉ついたし大丈夫だよね。………大丈夫だよね?  ドキドキして連絡した。婚約者に結婚を申し込んだ時よりドキドキした。なんかごめんって思った。  いつもと変わらない、元気にしてるー?って声が聴けて嬉しかったなあ。  
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