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リュゼはサーファの前に並んだ大量の料理を一瞥して言い放った。そんな挑発的な言葉に、サーファとリュゼの間の空気が一気に重たくなる。
「……回りくどいなぁ」
食事を続けていたサーファの声が半オクターブ下がる。
敏感にそれを察知したリュゼの表情に緊張が走った。
「言いたいことがあるなら、はっきり言ったらどうだ?」
「……わかりました。このままだとお互いのためになりませんからね。この際、はっきりと言わせてもらいます。私は――」
リュゼが、きっとサーファを正面からにらみつけて何かを言いかけて……。
「わかった、わかったよ。悪かったって」
「……え?」
サーファが突然、両手を上げた。
「年頃の娘が考えることなんて……俺の配慮不足だったってことで勘弁な」
「ち、ちょっとなに勝手に謝って――」
「色々あるもんな。というわけで茶々入れて悪かった」
謝り始めたサーファに、調子を完全に狂わされたリュゼ。
何事かと集まる周囲の視線。
レイナはそれを苦笑いで見守るしかなかった。
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