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第二代皇帝のオゴデイは大の相撲好き。
イランに駐屯しているチョルマカン将軍に命じて30人の力士をカラコルムに招いて相撲大会を開いた。
選りすぐられた30人の中でもフィレーはよく発達した筋肉質の体、バランスのよい手足、武人然とした堂々とした顔立ちで皇帝の目を引いた。
しかし、皇帝が彼を褒めると、モンゴルこそが相撲の本場と思っている本国の将軍たちはおもしろくない。彼らがあれこれケチを付け、悪口を言ったので、御前試合が行われることになった。
いったんはモンゴルの力士がフィレーを押さえつけるが、フィレーが軽々とそれをはね飛ばして逆に押さえつける。
思わず立ち上がった皇帝が、
「いいぞ、はなすな!」
と声援を送ると、メリメリと嫌な音が。フィレーが力をちょっと入れただけで骨が折れてしまったのだ。
皇帝の傍らでは、チョルマカン将軍がほれみろ、オレの連れて来た力士は世界一だろ?とばかりにふんぞり返っている。本国の将軍たちはしゅんとしてしまった。
オゴデイはフィレーに500バーリシュという大金と宝物、とびきりの美女を与えて褒美とした。
数日後。
皇帝はこの美女をお側に招いて尋ねた。
「で、どうだった? ペルシャ人のちん○○は?」
「わ、わかりませんわ!」
当時、「ペルシャ人のちん○○はでかい」とモンゴル人の間ではもっぱらの噂であった。是非その真偽を確かめたいと思った皇帝オゴデイであった。
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