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「お月様、出てる?」
少女は問う。パステルピンクと、パステルパープル。ツートンカラーの髪を左右に揺らし、夜空を眺めた。
「今宵の月は、とても美しい皓月(こうげつ)」
その隣でシスターは答える。清楚さを引き立てる純白の修道服とベールが、月の光で幻想的に照らす。
「月魄(げっぱく)より注がれしエナジー、この翅(はね)に受け止めて」
妖精を模したゴシック衣装を身にまとった少女は、薄っすらとイルミネーションのような輝きを放っていた。月光に呼応するかのように。
「聖霊は、神より与えられし」
シスターが少女に手を差し伸べる。少女はその手を握りしめ、続けて言った。
「聖霊よ、仮の器たる我へ」
少女の瞳は猫の目のように光り、舞い込んだ風が辺りを揺らす。
「神の御心のままに、捧げ物を」
そう言って、シスターが少女の手を放すと
「怪盗ゴシックフェアリー、頂戴に参ります☆」
少女は、お月様に向かって名乗りを上げた。
「始めましょうか♪」
シスターが楽しそうに合図を出す。少女とシスターは互いに向き合い、お祈りのポーズで目を閉じた。
「「わたしたちのお祭り(ゲーム)を」」
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