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「あの人だけ、足の長さの比率ヤバくない?」
「海外帰りってさ、出世コースじゃん」
皆がわいわいと慶斗の噂をするので両手で耳を塞いでしまった。
胃が痛い。胃じゃないかも。息が出来ない。
私は今、会いたくなかったとか何で今さらとか、色んな事を思いつつも自分がこの五年間、全く気持ちが整理できていないのだと気づかされた。
――怖い。
今、慶斗は私をどんな顔で見るのか怖い。
「就職してそのまま海外だもんな」
「……」
「美春? 大丈夫?」
「向こうにパウダールームあるから行こう」
「ごめん。一人で大丈夫だから」
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