1章:変なメールが来た

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ある日の学校の帰り道、メールボックスを開くと変なメールが届いていた。 件名に『千坂 陽太』と俺の名前が書かれていた。この時点で普通の迷惑メールじゃない事が分かる。 いつもなら開くことなくゴミ箱に直行するところだが、少し見えた本文も気になり開けてみた。 本文には簡潔に用件だけが書かれていた。勧誘の様だが書式はかしこまった形ではなく、むしろ上から言っている様に感じる。 『ダンジョンマスターになってみたくはないか?』 メールにはそれしか書かれていない。指を下から上にスライドしてみても、下に行かない。 コレはどうしたものか、と足を止めて考えてしまう。急に止まったものだから後ろを歩いていた人がぶつかってきた。 同じ学校の女子だった。その女子は俺に文句を言ってくることはなく、ただ黙って俺を睨みながら去った。 あんな奴はどうだっていい。今はこの目の前のメールが解決すべき問題だ。無視するのが一番なのは分かっている。 ただ、件名で俺の名前を書けるようなやつを放って置けるほど楽天家ではない。そして何よりもダンジョンマスターには興味がある。 『ああ、なれるものならなってみたいな』 気づけばそう返信していた。俺の仕事は終わったとばかりにポケットに入れようとしたスマホが震える。 画面を見るとさっきと同じアドレスからメールが来ていた。レスの速さに若干引きながら開く。 『そりゃあ良かった。 ↓下にスクロール↓ 』 指示に従いスクロールしていくと何やら変な模様が描かれていた。漫画とかで見た事がある魔法陣だ。 そう考え至った瞬間には魔法陣が目も開けていられないくらい光輝いた。
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