エピローグ 一年越しの『愛してる』

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助手席から降りてきたのは、紺色のハイビスカス模様のアロハシャツに、チノパン、スニーカーを履いている、系斗だった。 「系斗?!!」 あたしたちはみんな驚いて、一斉に系斗の名前を叫んだ。 系斗は面白くなさそうに口を尖らせてそっぽを向いている。 匠も唖然として系斗を見つめると、次の瞬間、 「プッ」 と吹き出した。系斗は顔を赤らめて、 「もう無理です!着替えてきます!!」 と言ってまた車に戻ろうとすると、あたしは系斗に駆け寄り、 「すごいすごい!あたしでも無理だったのに、よく系斗にアロハシャツ、着せたわね!!グッジョブ!」 と笑って系斗の全身をまじまじと見つめて言うと、彩乃は得意げに腕を組んで、 「私しかできないこと、やろうと思ってね!」 と言うと、アンジェとジミーは顔を見合わせた。 「このこと??彩乃にしか出来ないことって…」 「いや、すごいよ。系斗さんのそんな姿、確かにオレも見たことない」
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