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とぼとぼと歩いていると、
向こうからも
幾人かの男たちが歩いてくる
その先頭に立つ背の高い男は、
あれは……
「としひらさまあ!」
後方からビシャビシャ
水音がしたかと思うと、
小柄な体が私を押しのけ
打ち払いながら駆けていった。
痛い……
「うん、なんだこのわらしは……
ってお前、お鈴!」
「雷、雷がっ」
「ああうんうん、怖かったであろう」
ひょいと小包でも持ち上げるように
お鈴様を抱き上げると、
その背をそっとさする殿……
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