第13話 西方の空

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ぱんぱんと膝を払って立ち上がり、 踵を返す 「ちょっ……とあんた、どこに行くのよ」 「帰ります」 「えっ、かか帰るの」 「はい。ご指示通りに出直して参ります」 また雷鳴が轟き、辺りが不自然に光った 「ひいー! としひらさまああ」 「お鈴様はどうぞ、 引き続きお励み下さいませ。 首尾よく逝けますことを この綾子も願うております。 ではまた、来世で」 雨が降ると いっぺんに暗くなるから困るけれど、 今ならまだなんとか道が見えるわ 「待ちなさいよ、止めなさいよ、 冷たい女ねっ!  ねえちょっと、待ってってば、 ひとりにしないで!」 お城はもう、 騒ぎになっている頃だろうかーー それを思うとひどく気が重い 監視の目が強くなったら、 もう自死の機会は無いかもしれない その時はまた、 別の方法を考えなくては。……
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