豪徳寺家の人々

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豪徳寺家の人々

五月五日‥端午の節句… 「(りん)! 我が豪徳寺(ごうとくじ)家の家督を継ぐに相応しい、威風堂々たる屈強な心身を培い、 逞しい男と育つべし! 質実剛健、有為敢闘! 清く・正しく・勇ましく!健やかなれ!! 伊織(いおり)よ、 母の無い凛を不憫に思うな。 決して甘やかすでない!‥‥‥頼んだゾ…」 「承知致しました、お祖父様。」 “凛”二歳の誕生日のこの日、 第十三代豪徳寺家当主“豪徳寺(ごうとくじ)(あきら)”は、 外孫“栢山(かやま) 伊織(いおり)”に対し 嫡孫“凛”の教育役を命じた。 “伊織”、弱冠十四の歳であった。
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