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見上げた先に、「仕方ないな」といった呆れた目があった。
だけど拓海くんの顔が優しいから、私は泣いてしまいそうになる。
「そりゃ俺を好きになってほしいけど、こればっかりはどうしようもねーって、俺だってわかってるよ。
もう困らすようなこと言わねーから、そんな顔すんな」
拓海くんはぽんぽんと頭を撫でてくれる。
「ごめ……ごめんね拓海く……」
「だからもう謝るな! わかったから!」
私の涙声をかき消すように、拓海くんが私の頭をぐしゃぐしゃにする。
「もう行こうぜ!コンビニ寄らなきゃいけないし。
ったく、母さんはいつも人づかいが荒いんだよ」
拓海くんは椅子から立ち上がり、私を促した。
「ほら、澪も早く。
ってか、絶対泣くなよ。
俺は澪を泣かせたくないんだよ」
怒ったように言う拓海くんに、私は鼻をすすりながら頷いた。
「ありがとう、拓海くん」
「おー。澪、絶対後悔するからな」
そう言った拓海くんに、私は小さく笑い返した。
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