Share 12 駅のホームで

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「ごめん。私はレイが好きだから……。 ……それに、私にとって拓海くんは「優しいお兄ちゃん」だから……」 言いたくてもそれ以上は声にならなかった。 口籠ると、拓海くんが言えなかった続きを口にする。 「……だから、俺は恋愛対象にはならないって?」 私はうつむき、膝に置いた手を握りしめた。 今、私は拓海くんを、ものすごく傷つけている。 それがはっきりわかるのに、どうすることもできない。 「これから先も? ずっとそう?」 「……ごめん」 私はうつむいたまま呟いた。 ごめん。 ごめんね、拓海くん。 心の中で何度も何度も繰り返していると、頭に手が置かれた。 「あのさ。澪にそんな顔させたいわけないだろーが。 もういいから、顔あげろよ」
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