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「苺パフェ、おまたせしましたー。」
店員さんの元気な声。
「ありがとうございます。わあ、おいしそー。」
和白君のテーブルには注文した苺パフェ。
クリームと苺がたっぷりで、本当に美味しそう。
「ねえ、新宮」
う、また、声を掛けて来たわね。
「あーんして。」
「いりません。」
慌てて、手を立てて、ガードした。
「パフェ、見てたから、食べたいのかと…」
「見てないよ。」
いや、本当は見てたけど。
「じゃ、おれのこと見てた?クラスにいる時みたいに。」
「そんなわけないでしょ?!」
動揺して、キツイ口調になる。
「そうだよね。おれってば、自信過剰♪」
声は軽かったけど、和白君の表情は少し寂しげで、急に胸が痛んだ。
私、そんなに和白君のこと見てた?
「い、苺パフェ、本当は大好きなの。」
うう、白状してしまった。無念。
「恋愛小説も?」
和白君はちらりと、私の本に視線をやる。
「空想より、現実の恋愛の方が楽しいと思うけど?」
和白君がパフェを一掬い。
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