第1章

2/5
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
町は奴等に占領された。 逃げ遅れた人々がどうなったのかは分からない。 これは戦争なんだ。恐らく皆殺しにされただろう。 こんな小さな町にまで侵略者はやって来た。 逃げなきゃ、逃げなきゃ。 銃声が近くなる。 馬の蹄が大地を蹴る音。 乾いた草原を必死で走るけど、足がもつれてしまう。 家族ともはぐれた。 同じように逃げ惑う人がいるけれど、みんな恐怖に怯え、諦めて座り込んだり、転んだり、泣き叫んで天を仰いだり。 もう、逃げきれないかもしれない。 僕も、もう走れない。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!