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とある昼下がり。頭痛が酷くなって、授業中に保健室へと向かったとき、そこにはもう既に先客がいた。
「おう、誰もいねぇぞ」
ベッドを占領していたのは、この学校一の荒れた生徒と名高い男子だった。情報に疎い私でも、この人の名前と顔は一致する。
金髪と黒髪が交じりあったマッシュは個性的で、あまりに学ランには似合っていない。お洒落すぎる。
ネックレスや指輪やピアスがたくさん光っており、一目見たら忘れられないような風貌をしていた。
「寝て、いいですか」
「んぁ? 何で俺に聞くよ?」
「だってベッド、一つしかない」
その人が腰かけていたベッドを指差すと、ハッとした彼がそこから身軽に飛び降りた。
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