31カラット~婚約の音~

20/23
671人が本棚に入れています
本棚に追加
/241ページ
「よくねぇよ・・・タイラー家には俺もフェルドも餓鬼の頃から世話になってんだ、特に俺はガードナー様とアルト様に助けていただいた恩がある。ヴァレリー様が病にかかったと知った時 ノヴァ家とデフェール家でこの国の医師だけでなく他の近隣国の医師にも頼み込んで来て貰ったんだが、結局病状はわからないままだった・・・それをお前は意図も簡単に治しちまった・・・!」 「あ!そうだった!ヴァレリーさんの病気が治った事は誰にも言わないでね、フェルドさんにも言ったら駄目だよ」 「・・・ちゃんと理由を言えば絶対に言わないと約束する」 「わかった・・・言うよ、ヴァレリーさんの病の原因は『毒』だよ」 「――っ!?毒だと!?何者かに命を狙われてたって事か?」 驚いてソファーから立ち上がったカルトに俺は国王と第一王子が毒を送っていた事を話した 「クソがっ――!!これだから王族は嫌いなんだ!ヴァレリー様だけでなく、まさかナディアにも毒を!まさかそこまでしてるなんて!脅されていたのは知っていたが、専属の騎士にさせる為だけに その家族の命を平気で奪うのか!王族ってやつは!――――・・・待て・・・俺は第一王子の専属騎士を断った・・・まさか、俺も・・・」 そう言って蒼白になったカルトの顔を見て俺は手に持っていた食器を棚に戻しカルトにソファーに座るように言って俺もその隣に座った 「カルトの場合、ちゃんと国王が僕の騎士にするって言ったし、もしタイラー家のようにご家族に何かあっても僕がちゃんと対処するから大丈夫だよ・・・今回、ヴァレリーさんとナディアさんを助けられたのはフェルドさんとカルトが金幸際の時に教えてくれたからタイラー家の人達を助けられたんだよ」 「俺の家族が危なくなった時も お前が助けてくれるって言うのか・・・?」 「当たり前でしょ・・・カルトは僕の騎士で婚約者でもあるんだから」 「そうか、それは・・・――あ゛?『婚約者』だと?」 「そうでしょ?ご家族にもお付き合いを認めてもらえたし、口付けまでしたしね・・・でもカルト今回はあれでいいけど、出来れば次回はもうちょっと深い口付けがいいかなぁ・・・」 「次回?そんなもんはねぇ。二度とやるかあんな事・・・なあ、ウチの家族に王族から何か貰ったりしたら気をつけるように言うのはありか?」 
/241ページ

最初のコメントを投稿しよう!