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私の父とあまりの違いに、彩香が少し羨ましくなった。
「彩香のお父さん、太ってるでしょ。
もう少し痩せたらカッコよくなると思うんだけど」
そう言って、彩香が笑う。
「明日から彩香がいないと思うと、食欲がわかないよ。
夏休みまで彩香に会えないなんて……」
彩香のお父さんは今にも泣きそうな顔をしている。
「お父さん、恥ずかしいからやめて。
夏休みになったら、すぐに帰るから」
私も、父とこんな風な関係になりたかったな。
彩香とお父さんの会話を羨ましく感じる。
彩香のお父さんは、彩香と離れるのがさみしくてなかなか帰ろうとしない。
3人で話している時、大柄の威圧感のある男性がやってきた。
「荷物を運んだ後、長時間車を止めておられると、次に来る方の迷惑になりますので、お帰り頂けますか」
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