親友の苦悩

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「手をつなごうとするとふり払われて、キスをしたら唇をごしごしとすごい勢いで拭うんだ。朝一緒に行くのはイヤだとも言われた。 今までそんな態度を女子にとられたことがなかったから、どうしていいのか、どう扱っていいのかわかんねえ」  大志は、本当に新しい彼女のことが理解不能らしい。眉間に深いシワを寄せている普通のヤツがやると不細工にしか見えない表情も、整っている顔には何の影響もなさない。 「まあ……好きな人からされれば喜ぶでしょ、フツーに」 「それはアイツが俺のこと……やっぱりまだ好きじゃないってことか」 「どういうこと?」  気になる呟きをぼそりと零す。  憂いを帯びた表情をすると、周りにいた女の子たちがかっこいい、と呟いた。 「今回付き合ってるヤツ、俺のこと知らないし好きじゃないんだと。だから俺が一週間で落とすって宣言して付き合ってる」 「へえ、大志のことを知らない子がこの学校にいるんだ」  俺も、ちょっとその彼女に興味が湧く。  だって、ここまで大志が女の子に興味を示すことなんて、今までになかったから。  その子がどんな女の子なのか……大いに興味があった。
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