981人が本棚に入れています
本棚に追加
/407ページ
第2話 Confusion
寝不足がたたって、学校の授業中、叶多は何度もあくびを咬み殺す。
三時間めの世界史はテノールの歌手が子守唄を歌ってるように聞こえた。
昨日、戒斗と会えたばかりか、五年たってやっと戒斗は叶多に応えた。
楽しみにしている旅行をまえにした、小学生の子供みたいに落ち着かなくて眠れなかった。
もっと正確に云うなら、朝起きたら夢だった、とならないように眠るまいとがんばった。
戒斗にはガキだなと云われそうだけれど。
がんばってはみたものの、結局はいつの間にか眠っていて、朝は千里に叩き起こされるという始末だ。
夜の出来事だっただけに、朝になるとやはり夢だったような気がした。
最初のコメントを投稿しよう!