第1話 女帝様の日常

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―蒼架学園高等部 体育館倉庫裏― ゴリ男A 「くっそぉっ、ふざけやがって!」 クール美人 「………それは、こっちの台詞じゃないのか。全く、少しは懲りて欲しいのだが?」  いきり立つゴリ男が、五人程。その後ろには、シャツをはだけられた可愛い男子生徒が涙を零しながら、震えている。  一方。五人のゴリ男相手に、怯むことなく、きつく見据えている、クール美人。しかし。その声と体格から、『男』であると伺える。  一斉に襲い掛かるゴリ男達。だが、クール美人は一瞬、『フッ』と艶やかな微笑を浮かべた。  すると、あっと言う間に、五人のゴリ男を気絶させると、何処かへ携帯を掛けた。 クール美人 「…史織か、俺だ。………あぁ、体育館倉庫裏だ。幸い『未遂』で済んだ。じゃあ、よろしく頼む。」  『ピッ』と言う電子音で電話を終えたクール美人は、いまだ震えている男子生徒の前にしゃがむと、自分のブレザーを掛けてやる。 クール美人 「ごめんな、遅くなって。怖かったろう、間に合って良かった。もう大丈夫だ。」  先程とは違う、優しい笑みを浮かべた、クール美人は、安心させるように、男子生徒の頭を撫でた。
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