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先輩もきっと浮かれちゃってて。
テンション高くなって話しちゃったんだろうな、とは思うけど。
さすがにちょっと、恨みたくなる。
「まー…俺はお前が課長好きなの、前から気づいてたからわかったけど。
多分目の前の二人に気使って、暗くならないようにとか課長見ないようにとかしてたのが……酔った勢いであぁなったんだろうな」
電話をじっと眺めながら俯く私に、間宮のちょっと笑いを含んだ声音が聞こえて。
「店にいる時から腕に絡みついてきてさ。酒ガンガン注いできて、挙句途中で寝かかって肩にもたれかかってきて」
「…うるさい。どうなったって言われたって覚えてないってば」
すこぶる低音で答えた。
「可愛かったんだけどなー」
「知らん」
今それどころじゃない。
懸命に眉根に力を入れて、耐えている。
「……相田さん、なんて?」
「相田先輩が喋っちゃったんだって、ごめんて。口挟む余裕なくて誤解解けなかった」
「ふーん。……したたかだな」
「何が?」
「別に。 泣いてんの?」
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