女の専売特許とは-2

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大きな窓があり、露天じゃなくても充分に景色が楽しめる。 乳白色の湯を手ですくっては、湯面に戻し、静かな浴場に水音が響いた。 この後の、宴会のことを思うと果てしなく面倒。 折角お風呂に入っても、すっぴんはまずいだろうから、薄くパウダーと眉だけは描かねばなるまい。 面倒だけど……お酌してまわったら、矢野さんともちょっと喋れる。 矢野さんに会える時は必ず相田先輩もいるから、どうしても先輩を立ててしまうけど。 お酌する時くらいは、二人で話ができるかな。 周りにたくさん人がいることには違いないんだし。 それくらいの楽しみは、許されないだろうか。
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