1.灰色の街

2/17
283人が本棚に入れています
本棚に追加
/552ページ
     * 近隣の製紙工場から、大量に吹き上げる煙。 この街の空はいつも濁っている。 人体に無害だとは幾度も説明されているが、空を見上げる度に憂鬱な気分になる。 結婚を機に、夫の実家近くの、この街に越して来た。 でも桜井サトミは未だになじめない。 結婚5年目にして、この街が、ここでの生活が嫌いだ。 夫の実家が近くにあるというのも、彼女のストレスの大きな要因だった。
/552ページ

最初のコメントを投稿しよう!