金科玉条

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「【金科玉条】って言葉を知ってるか?」 知的なヒロトらしい応答だった。 「それを守る事で、行為を正当化出来る 強いよりしろ。みたいな意味だっけ? それが、どうしたんだ??」 レイジも小説を書いているだけあって それなりに語彙は豊富だ(と思っている) 「僕にとっての【金科玉条】は、 【きんぎょく】(漢字で書けば分かる)だな。 女装をしていても、男だと忘れない為の 体の一部だな。邪魔だから、取っちゃえ! なんて、ただの一度も思った事は無い。 僕は女が好きなのは変わらない。 男を恋愛の対象にしたくはない。 オカマもニューハーフも、男が好きという 前提が成り立って、初めて成り立つ存在だ。 女が好きだから、僕は男のままで良い。 好奇の目は覚悟しているが、そう思わせない 努力もしている。好奇の目で見られたら、 それは…僕の努力が足りない証拠だと思う…」 ヒロトの言葉を聞いたレイジは、 ヒロトなりに客観的に見て、女を 完璧なまでに演じようとしている 姿を想像すると、胸が熱くなった。 「なら、何も言わねぇ。応援する。 ヒロトが向かっている先は、真っ直ぐだ。 曲がったり、歪んじゃあいねーようだな」
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