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そして再びギャイギャイ論争し始めた二人から目を逸らし、「宿題があるから」と両親に断りを入れて、自分の部屋に引っ込んだ。取り残された両親からちょっと恨みがましい視線を向けられたが、無視だ無視。
「何で実家まで来て喧嘩してるんだか……。自分の家ですれば良いだろ……」
だけど学校の授業で、あのことわざの意味を取り上げてくれてて助かったな。
それまでどうしてだかは分からないけど、「割れた鍋は蓋代わりに他の鍋に被せて閉じて使う事しかできない様に、本来するべき行動ができない人」の事だと勘違いしていたし。
皆の前で、恥をかかなくて良かった。
そんな事をしみじみと考えてから、僕は荷物を置いて机に向かった。
産まれてくるのが、女の子って可能性もあるしな。でも甥だったら……。
ちょっと困った事になりそうだけど、試練に打ち勝ってこそ強い人間になれる筈……、だと思う。
「……うん、たとえ名前がゴンザレスになっても、頑張れよ? 叔父さんは応援してるからな?」
そして僕は巧さんの奮闘を祈りつつ、気持ちを切り替えて明日提出の宿題に取りかかったのだった。
(完)
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