勇者たちの朝

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・・・? 何?やだこの人・・・。 私は目の前に立っている中年のオッサンの一部を『乙女の好奇心』という呪縛にかけられ・・・いつの間にか凝視していた。 相変わらずの満員電車、始発駅から乗る私は大抵終点まで座っていられるのだけれど・・・都心に近づくにつれ車内はいつものように、ワンパック詰め放題のソーセージパックの様に雑多になっている。 私の目の前の男は、本人の意思ではないのだろうけれど・・・下半身の位置が・・・異様に近い・・・。 そして、その男性の威厳を保つべき規範であるはずの・・・部分が・・・閉まっていなかった。 電車が揺れるたび、そして駅で人が乗り込み・・・車内の人口密度が増すたびに、その規範たる部分が微妙に形を変えて、本人の趣味なのか・・・奥さんの趣味なのかは分からないが・・・ラメ・コーティングした、黒色の下着・・・ブリーフ(多分、ブーメラン?)が『こんにちは』と顔を覗かせる・・・。 あ~あ・・・オールバックで、香水もアクア系・・・背広はバーバリーの草刈正雄さんにちょっと似たいい男性だけに私は幻滅して、英単語カードを繰った。
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