約束

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「だから……」 口ごもってしまった私の顔を、慶太が怪訝そうにのぞき込む。 でも、原因が慶太だなんて、説明できない……。   そもそもの発端は、支倉部長に部活前、部室に呼び出されたことだ。 バドミントン部のマネージャーをしている二年の私と、部長で三年の支倉部長に接点があるのは当たり前で。 呼び出されて、告白され。 ――そして。 「……すみません。 支倉部長とはお付き合い、できません」 「長藤のことが好きだからか?」 こくんとひとつ頷くと、支倉部長ははぁっと小さくため息をついた。 「……長藤が小向のこと、好きになることがないのはわかってるのにか?」 再びこくんと頷きながらも、じわじわと涙があがってくる。 俯いた足下には水滴が落ちて、慌てて顔を上げて涙を拭う。   慶太には大事な彼女がいることはわかってる。
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