月に恋した花は

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 あるところに、ある変わり者の花の妖精がいました。  というのも、同じ花の妖精たちが昼間に起きているのに、その変わり者の花の妖精だけ、夜に起きているのでした。  でも、初めからそうだったわけではありません。  花の妖精たちは、歌ったり踊ったりするのが大好きで、みんなで同じ歌を歌ったり踊ったりして暮らしていました。  でも、どうしてだかその変わり者の花の妖精が歌っても、誰も一緒に歌ってはくれませんし、一緒に踊ってくれることもありません。ひそひそとみんなで話をして、でも彼女が近寄るとおしゃべりをやめてしまうのです。  毎日がそんな風に、居心地が悪くてたまりませんでした。
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