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『ん?どうしたの?武。』
「…いや。別に…。ってか、芸能人と付き合ってたんだ。清一さん。」
あぁ、そう言えばサワさんが言ってたな。
社長は顔が広いから、芸能人とか政界人とも付き合いがあるって。
『あの頃はモデルだったから、別に芸能人じゃないよ。あの後位からでしょ。祐也が売れ出したの。』
「…そう、かもね。…でも、あれだね。そしたら、俺かなり余計な事をした感じ?」
『何で?』
「いや、だってさ。芸能人と付き合ってた訳だし…」
俺なんかが清一さんと付き合う事になるとか…なんか、なっ。
『武。何言ってるの?俺、あの時も言ったけどさ。武がどうこうの前にもう祐也とは限界だって思ってたって言ったよね?それに、俺は武に一目惚れだったって言わなかった?』
…まぁ、言ったけど。
「…清一さんさ。本当に俺でいいの?清一さんって、芸能人とか政界人に知り合い多いんでしょ?」
何だか少し自信を無くしそう。
俺の言葉に眉間にシワを寄せた清一さん。
『何が言いたい訳?武、今まで俺の何を見てきたの?いい加減にしないと怒るよ。』
そう言うとガタッっと椅子から立ち上がり皿を片付け出す清一さん。
「…ごめん。そう言うんじゃ無くて。…清一さんが綺麗過ぎるから…。こうやって一緒に居れるのも俺にとっては夢みたいで…。本当、ごめん。」
俺も立ち上がり背中を向けた清一さんを後ろから抱き締めた。
清一さんは俺には綺麗過ぎて。
たまに、夢なんじゃないかって思う事があるんだ。
だから、こうやって他の男の話を聞いてしまえば自信を失くす。
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