くしゃみ

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「ハア、ととっ…くしゅ!」 まただ。くしゃみが出た。ティッシュは、と近くに置いたはず。 「ほら」 隣で後始末をしていた男がティッシュの箱を差し出した。 「あ、サンキュ」 受け取って一枚引き出し鼻を思いっきりかむ。 「色気ねーなー」 感情の乗らない声が横から聞こえる。 私だって好きでくしゃみしてる訳じゃない。でもなぜか彼の部屋でエッチするとくしゃみが止まらなくなる。うーん余韻に浸る間もない。 そんな私をベッドで肘付して見ていた彼、浩司はむっくりと起き上がり下着を付けだした。 「あらま、また?」 「うーんなんか思いついたかも」 そう言ってノートパソコンの置いてあるリビングに消えた。 これで二時間は戻ってこないな。企画会社に勤める浩司は一旦アイデアが沸いたら私そっちのけで仕事にハマる。付き合って1年経つけどスタンスは変わらない。まあそんな彼が嫌いじゃなくて今に至るのだけど。 気になるのは神が降りるのがエッチの後であること。それがかなりの確率でこの部屋だということ。 まあ、ものは考えよう、居ないということは好き勝手出来るということで。私は気兼ねなくくしゃみをする。その内眠くなって朝を迎える。今夜もまた繰り返す。 と思いつつ、がばっと起き上がる。なんか気になった?
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