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転移した先は猿の言っていた丘。此処で近くの洞窟を探す事になるんだが……、
リナを見る。
……………よし、今回はリナにさせるか。
(斬)「リナ、探索魔法を風属性を使って行使してみろ。それで洞窟を見付けてくれ。」
(リ)「兄さんはいつも唐突ですね……。ですが、わかりました。やってみます。」
悩む素振りもなく(呆れた様子は有るが)リナは、俺の言った通りに探索魔法を使い始める。
普通、無属性専用の魔法に無理矢理属性を付けて使うのは無理な筈なんだが…、そこはこの世界の英雄候補のリナ。難なく熟してくれる。
流石俺の義妹だ!可愛いだけじゃなく、技量も有る!!
(嵐)「………………………。」
何やら嵐からジト目を感じるが、気にならない。
あぁ、リナは今日も可愛い。
俺がリナの可愛さに内心やられてる間に、俺の可愛い義妹は洞窟の場所を見付けたらしい。「兄さんコッチです。」なんて言って俺の袖を掴んで引っ張ってくれる。
ハッキリ言って発情期じゃなければ血を吸ったり襲ったりしていた。それぐらい可愛かった。危ない危ない。
………………………またも嵐から並々ならぬ視線を感じるが、知った事ではない。
リナに引っ張られ歩くこと数分。まさにTHE・洞窟といった雰囲気を醸し出す大きな横穴の前に辿り着いた。
この横穴は奥に行くにつれ地下へと道が下降して緩やかな坂になっている。奥はまだ昼間で日の光がしっかりと入口を照らしているのにも関わらず漆黒ともいうべき暗闇で見えない状態だ。
(リ)「兄さん…。」
リナはそう呟くと、ソッと俺の後ろに隠れるように移動する。
……昔の事を思い出したか?
(斬)「俺と会う前の事を思い出したか?」
小さくコクリと頷く動作が、背中越しに伝わってくる。
(斬)「帰るか?」
今度は横に頭を振る動作が伝わってくる。
…………………。
(斬)「そうしていて良いから、しっかりと着いて来るんだぞ。」
それだけ言って、俺は返事を待たずに『光』と書かれたカードを取り出しそれに魔力を注ぐ。
するとカードは強く光り輝き、目の前の暗闇を照らし始める。
それを俺はダークハンドでカードを持たせて自分より前へと持って行き、洞窟の中へと歩き出した。
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