彼にとっての、パーフェクト

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翌日、私はバスの中で棗くんに昨日関さんと綾乃さんに偶然会った事を話した。 「あー…それ、聞いた。昨日」 「えっもう知ってたの?」 さすが関さん…情報を回すのが早い。 「日曜のドライブ、誘われたんだろ関に。別に面倒くさかったら断ったって…」 「面倒くさくなんかないよ!……凄く楽しみ」 昨日からずっと、早く日曜日になればいいのにって思ってる。 棗くんが綾乃さんと話しているところは、出来れば見たくないけど…でも関さんがいるからそこは安心。 きっと、私と棗くんが2人でいれるように気を使ってくれる……はず。 ちょっとの時間でもいいから、デート気分を味あわせてくれる……はず。 「どこか行きたいとこ、ある?」 「え?」 「純の行きたいとこ」 「………」 棗くんはこうやってふとしたときに突然名前を呼ぶから、私はいまだに名前呼びに慣れずに照れてしまう。
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