永遠に、叶う事のない願い-2

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その声にピクリと反応した私と冬汰は、2人揃って振り向いた。 ……するとそこにはあの人が大きな目を更に大きく見開きながら、私を見つめて立っていた。 「……っ!」 どうして、こんな所に。 こんな時間にこんな所に、いるはずがないのに。 そう思った直後、夏休み中にこの病院に訪れたときの事を思い出した。 時間が経って、あのときに冬汰が私に言った事を今まで完全に忘れていたけれど。 あのとき、冬汰は確かに私に言った。 この人に似ている人が、病院へ入っていくところを見たと。 「やっぱり純ちゃんだ……久し振りだね。水族館行ったとき以来だよね?」 「……こんにちは、綾乃さん。お久し振りです」 いつだって、この人の存在を目の当たりにすると、自分は凄く萎縮してしまう。 だって、棗くんが長年愛してやまない人だから。 今も、棗くんの心を独占し続けている人だから。 だからか余計に、この人の事が輝いて見えてしまう。 私にはないものをきっと沢山持っているこの人の事を、妬ましく感じてしまう。
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