諦める事は、決して簡単ではない

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「……関さんは、本当に凄いと思います」 「え…」 「人を許すってそんなに簡単な事じゃないのに。……簡単に許しているように見せれるところが、凄いと思う。……私が関さんの立場だったらって考えると……」 きっと関さんのように、過ちを許す事なんて出来ない。 それがどれだけ好きな人だとしても。 心のどこかに、しこりが残ってしまうと思う。 「純ちゃん。俺、そんな凄いヤツじゃないんだよ全然」 「…でも…!」 「2人の事、憎いと思った事も正直あるし。それに、許した今でも、やっぱりなかった事になんか出来なくてさ。もう2度と、今までみたいに3人で会う事は出来ないと思うし」 「……それは……当然だと、思います」 「それでも俺は、綾乃の事を愛してるから。友人として、梶真の事も好きだから。結局、裏切られて悲しいとか憎いとか、そういう気持ちよりも、好きな気持ちの方が勝ってたんだよ圧倒的に。だから、許したんだ。それだけの事だよ」 ……そうやって、少しも臆する事なく正直な気持ちを私なんかに言えちゃうところが、やっぱり凄いと思ってしまう。
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