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ある日クラスメートの男子二人の掛け合いがまるで漫才のようで、
横で聞いていた彰悟は吹き出し笑い転げてしまった。
すると、周りが「お?」という反応をしたのだ。
そのことを保に話すとしたり顔でこうアドバイスした。
「そうや。大阪人はな、おもろいことを言うて人から笑いを取るんを至上の喜びとしとるねん。人を笑わせてなんぼの世界や。
ぼーず、お前が大阪のノリでいきなり笑いを取るんは、ちとハードルが高い。
まずはおもろいこと言うてる奴がおったら思い切り笑うとけ。
ウケて気い悪くする奴はおらん。『お、お前わかっとるやないか』て親近感を持ちよる。
そしたら次の段階や。周りのやつらがどんなネタを好みよるか観察して、ぼーずも一発かましたれ。
ウケればそれでよし、すべったら情けない顔して「すべったー」と大げさに言うとけ。それで万事解決や。」
彰悟は『それだけで万事解決だなんて、本当かなあ』と内心疑っていたが、早くクラスに溶け込みたかったので、そのアドバイスを実践したのだ。
その結果、彰悟はクラス男子にあっという間に気に入られ、放課後のドッジボールやサッカーに誘われるようになったのだ。
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