ー05ー

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「拳銃......やはり加賀美に武器を提供したのはお前みたいだな」 「ああ、あいつはいい飼い犬だったよ、とは言ってももう死んだみたいだがな」 「......!!お前......!!」 しかし翔介の銃弾の猛攻が続き、成馬は細い足場の中銃弾をかわすしかなかった。 「っ......」 「擦れたみたいだな、今度は外さないぜ」 成馬は右脚に銃弾が擦れて、翔介はそのうちに代えの銃弾を装備した。 「そうは行かないぞ」 「何?」 成馬は踵歩行で一気に翔介に近付いた。 「馬鹿が、そんなのただの動く的だ!!」 翔介が成馬の額に銃口を向けた時、彼は既に体勢低くして銃口をかわした。 「相手は一人でないことを計算に入れるべきね」 「な......!?」 翔介の向かいの扉からミリーナが拳銃を構えており、そのまま彼は拳銃を撃たれて手元から離されてしまう。 「しまっ......」 「遅い!!」 成馬は下から突き上げるようにように翔介の顎に木刀を振り上げた。 「がは......!!」 「今だ!!」 脳震盪で数秒動けない翔介に木刀を腹部に打ち付けた。 「くらええ!!」 「っ......頭に乗るな......!!」 翔介は木刀を振りかざす成馬の顔面に手を置いて、力学的エネルギーを直に伝えた。 「「発勁」」 「う......」 「武道の心得が俺にないと思ったか?一度見たらこんなもの覚えられるんだよ!!」 今度は成馬が脳震盪を起こして、翔介はすぐさま胸部に手を当てて発勁を打つ。 「おらあああ!!」 「が......ああ......!!」 まるで心臓が圧縮されたような感覚に襲われて、成馬は思わず一度距離を取った。 「ね、ねえ、どうして援護しないの!?」 「この状態で狙撃したら成馬を撃ってしまうかもしれないわ、それに私は......」 ミリーナは実の兄を撃つことには抵抗感があった、もしもの場合は心を決めて撃たなければならないが、それでも義理の兄を撃つのは難しいことであった。 「取りあえずここは成馬に任せよう、彼に報復のチャンスを与えるわ」 「......そうね、頑張って、成馬......」 ミリーナと美鈴が後ろで見守る中、成馬と翔介は熾烈な戦いを繰り広げていた。 「おら!!」 「っ......!!」 成馬は翔介の頭部に木刀を振り下げるが、翔介は前宙をして成馬に踵落としを成馬の頭部に決めた。
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