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「正妻になった母にまっていたのは親族達の酷いいびり。
社長の祖父。俺の父親は母を全力で守ってくれなかった・・・釣った魚には餌を与えなかったんですよ」
「設楽・・・」
「社長も俺の父と同じですか?」
「えっ?」
「幼き時に味わった実の母親の死が社長の心に暗い影を落としてるのは分かりますよ」
「俺はお前にそんなコトまで話したのか・・・」
酔わせて設楽を丸裸にしてやろうと企んだが、俺の方が丸裸にされていた。
「社長と奥様は政略結婚とは言え、永遠の愛を手に入れた。でも、それは二人の命が尽きるまでの限定かもしれない」
どちらかが死ねば、その愛は終わる。
残された者の悲しみの深さを考えたら、留奈の全ては受け入れ難い。
「…そんな遠い話を考える前に今を考えないと・・・」
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