碧眼の少女

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すると、ずっと黙って聞いていたフィリスがやっと発言する。 「先生、実力を隠してるんですか?どうして?隠さなければバカにされたりしなくて済むのに」 プクッと頬を膨らませる彼女に、アスール老神父は、ほほっ、と笑った。 「教会の中にも狡い大人は沢山居るんですよ。身を守る為です」 そんな返答に首を傾げるフィリス。 まぁ、普通の子供には意味がわからないだろうな。 相手を油断させておけば何か仕掛けて来ても対処出来る、とか、普通は考えないだろうし。 「ですからこの話は内緒にしておいて下さいね」 アスール老神父にそう言われたフィリスは、意味がわからずとも取り敢えず頷いて、両親にも誰にも言わないわ、と約束していた。 「勿論、僕が誰かに話す事は無いよ」 アスール老神父が僕を見たのでそう返せば、頷いてフィリスに僕の事も黙っておくように追加した。 ま、話されたらそれはそれで良いんだけどね、知られていない方が面倒事が少ないだろうからね。 フィリスは、フウハが困るなら絶対に黙ってるわ!と言った後で、あ、と口に手を当てた。 「だけど幼馴染みのキースには、直ぐに隠し事がバレてしまうの。キースは口が硬いから、内緒、って言えば誰にも話さないわ。だからキースには知られても怒らないでね?」 首を傾げた僕に、そんな説明をしたフィリス。
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