レジオネールの魂

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◇ 「何だって?」  仮司令部の一室で島中将が副官であるサルミエ少佐の発言に対して聞き返した。  聞こえなかったわけでは無い、理解できなかったのだ。 「アフリカ北部、ミミバ王国でクーデターが起こりました。ミミバ国王は死亡、一人娘である王女がルワンダに亡命してきております」  アフリカに沢山ある小国の一つ、ミミバ王国。何代も続く王家を打倒しようと反乱を起こしたのは、これまた何代も続く将軍家の者だそうだ。  別に不思議なことはなにもない。世界中どこでもあっただろう行為の一つでしかない。 「それは聞こえたさ。その後だ」  再度箇所を絞って島は指摘する、何がどうしてそうなったかを。 「王女を擁立してミミバ王国を奪還すべきです」  島とミミバ王国は全くの無関係だ。ルワンダと王家も全く繋がりは無い。  亡命を受け入れたのはそれこそ人道的配慮からだ。もう一度副官の発言をじっくりと考える、だがやはり答えには行きつかなかった。 「すまん、何故だ?」  ――そりゃ混乱を起こしているのは解るが、何でもかんでも首を突っ込む必要はないだろ。
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