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駅とは違う方に引きずっていく。
「えっ、蜂谷っ。
何処行くの?
駅、こっちなんだけどっ」
だが、蜂谷は杏をタクシーに押し込めた。
勝手に行き先を告げている。
それは、二人が通っていた高校名だった。
「今行っても、真っ暗だよ」
「無事に送ってやるから、黙って乗っとけ」
そう言ったあと、蜂谷は腕を組んで目を閉じている。
なにか杏の発言を拒否しているように感じられて。
杏は、そのまま黙って、タクシーに乗っていた。
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