316人が本棚に入れています
本棚に追加
/264ページ
終業のチャイムで目を覚ます。
「はーい、プリント集めて。」
眠い目を擦り、欠伸を噛み殺しながら声を挙げる。
バサバサとプリントを集める音にようやく目を覚ました。
フラフラと職員室に戻りプリントの入った封筒をデスクに放る。
中間テストの監督なんぞつまらない、眠い、めんどくさいの三拍子を揃えた不毛なイベントではないか。
現に私は机の陰に隠れて寝ていたぞ。
「浅野先生!」
隣のデスクからキャピキャピした声で話しかけられた。
「はい」
「お昼、一緒に行きません?」
なぜ
「細野先生、ぜひとも違う方をお誘いください。」
私は眠いので
「いいじゃないですか、たまには」
そして引きずられるように食堂に向かう。
向かい合わせの席に付きながら可愛らしくパスタを巻く彼女を盗み見る。
フワフワの服しか着ない細野嬢の周りにお花畑が見えた。
「んでね、彼ったらね....。」
彼女とお昼に行くと彼の自慢しかしないのだ。
最初のコメントを投稿しよう!