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「ごめん、な?」
胸元を通り過ぎ首筋を撫でていた拓海の手を握り、
精一杯の気持ちを込めて頭を下げる。
「…」
「ごめん」
「……」
沈黙が、怖い。
どんな顔してるんだろう。
でも拓海が何か言うまでは頭を上げられない。
もう、殴られてもいい。
それで少しでも気が済むんなら。
だって俺にはそれしか出来ない。
男らしく責任とる、なんて言えたらいいけど、相手も男だし。
「…っはは、」
しばらくしてやっと聞こえてきた拓海の声は、笑い声だった。
「、拓海?」
「ゆーだいさん。俺を傷つけたと思ってんの?」
するりと俺の手から抜け出した拓海の掌が
俺の顔を包み込む。
俺より少し背が低い拓海の前顔が、
髪がかかるくらいに近づくと
「イレタノ、オレダヨ?」
聞いたことない位低い声で、そう囁いた。
嘘…だろ、?
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