1話 あのマウンドで投げたい

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ジリリリリリッ カチッ 坊主頭の少年が、布団から手をグイッと伸ばし、目覚まし時計を止める 「フワッ」 少年は起き上がり、一回大きなあくびをして、時計を見る。時刻は5時30分だった 少年は布団をたたみ、パジャマから黒のウインドブレーカーの上下に着替え、ストップウオッチを持ってドアを開ける 「今日は少し寒いな」 9月の後半にさしかかったこの季節は少し肌寒く、外も暗い。少年は階段を降りていく 「唯お兄ちゃん…?」 階段横の部屋のドアが開き、小学4年生ぐらいの少女が目をこすりながら少年の名前を呼んだ 「なんだ、穂花か。ゴメン、起こしちゃったか?」 「うんうん、トイレ。お兄ちゃん今日もランニング?すごいね、大変じゃないの?」 少女は少年に尋ねる 「もう慣れちゃったかな。穂花も一緒に行くか?」 少年は笑いながら少女を誘う
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