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ピューーーールルルルルルル
はるか上空で鳶がなく。
それを見上げ、
1人大きなため息をつく少女。
「私も飛びたい……
飛べたらどれだけ楽か……」
その横に長身の男。
「そうですね、
次の街へはかなりの距離ですし」
言葉とは裏腹に表情は笑顔だ。
少女は男をじっとねめつけ、
「違うよ、
もう何もかも放り投げて
自由になりたいの………」
フイとそらす視線はとても悲しげで。
男は眉を八の字に微笑んで、
少女の頭をぽんと叩く。
「最初のあの威勢はどうしました?
私はなかなか貴女との旅が好きですよ」
しばらくの沈黙の後
「私もよ」
ピューーーールルルルルルル
上空の鳶は
いつの間にか2羽に増えていた。
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