孤独の華

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その夜は明方まで泣いた。 真っ赤に腫れた瞼を見て、今日が土曜日でよかったと心底ホッとした。 眠れなかったせいか、1日中ソファーの上でゴロゴロしていた。 メイクもせず、部屋着でダラダラしてたらあっという間にまた夜がきていた。 勿体ない1日に溜息をつき、冷蔵庫から取り出したビールのプルトップに指をかけたところで、チャイムが鳴った。 モニターを覗くと、エントランスにいる運送会社の配達員が映っていた。 「はい?」 「○×運送ですが、お届け物です」 服装からして、ちゃんとした運送会社に間違いはないだろうけど、届け物にはまったく心当たりがなかった。
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