生まれる前から背負った物語

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 そしてリリとシロの物語の続きが気になった。  冬が終わり雪が溶け始めた。  雪融けと共にセイ一家の雰囲気は暗く、 悲しいものに変わっていった。  正太郎はすっかりセイ一家の一員となった。  百姓の倅だけあって厳しい生活も苦にならなかった。  セイとフサの仕事を助け重要な働き手になっていた。  教養もあり都の情勢などを家族に話した。 「いくら都が変わっても百姓や庶民の生活は変わらないよ、 俺の家族もどうなったか・・・ 俺が平家側に駆り出されたんだから」  平家側に付いた者、 親類、 一族は全て処刑される。  正太郎は心配だった。  セイは覚悟を決めていた。
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